
病院でも、診療所でも、地域の訪問の場でも患者さんやご家族にもっとも近いところで、日々悩み、寄り添い、決断を重ねているのが看護の現場です。 この企画では、そんな看護の現場を支えるキーパーソン、「看護師長」たちにリレー形式で登場していただきます。それぞれの師長が大切にしている”まなざし”とは? 看護とどう向き合い、どんな想いで仲間を支え、医療に向き合っているのか。 今回は、津生協病院2病棟で看護師長として活躍されている、まえはたさんです。
津生協病院2病棟 看護師長 まえはたさん
祖父の終末期から
私が看護師を志したきっかけは、中学生の時の祖父の死がきっかけでした。介護保険が開始になるずっと前のことです。徐々に寝ている時間が長くなっていた祖父。お風呂が大好きだった祖父。祖母と父が抱えて祖父を入浴させた翌日、みんなが仕事や学校に行った後亡くなりました。後日祖母から、どうしていいか分からなかったけど民診(旧・伊勢民主診療所 現・ときわまどかクリニック)に電話をしたら、先生と看護師さんがすぐに来てくれました。看護師さんの「よく連絡してくれたなぁ」と、その言葉にほっとしたと聞きました。それまでも漠然と看護師になりたいと思っていましたが、そんな安心感を与えることのできる看護師になりたいと思ったことがきっかけです。大学で学ぶ中、祖父が寝ている光景が何の違和感もなかったように、患者さんが望むところで過ごせる援助ができる看護師をしたいと思うようになりました。その思いは今も自分の一番大切な看護観になっています。
退院支援に関わる病棟での看護
私が所属している2病棟は、新病院に移転後、障害者病棟としてスタートしましたが、2025年10月からは地域包括ケア病棟に転換しました。患者さんを自宅や施設など地域へ退院させるための退院支援と言っても、患者さんの状況は様々で個別性が大きく、必要な看護は多岐に渡ります。自宅に帰りたいと思患者さんが望んでも難しいこともありますが、思いに添えるような看護を大切にしています。まずは患者さん自身がどうしたいのか。そのためにはどんな援助が必要なのか。一人一人に対応できるように、病棟では担当看護師を決めて、毎日カンファレンスで意見を出し合って話し合いを重ねています。
多くの学びや気付きから
私自身患者さんや家族から多くのことを学び、気付くことができてここまで看護師を続けることができています。病棟のスタッフには、看護ってこんなに楽しいんだと感じられる看護を一緒にしていきたい、患者さんや家族には2病棟でよかったと思ってもらえるような看護を提供したいと思っています。時には対応が非常に困難な患者さんも見えますが、1人では難しくても病棟スタッフで協力し合えば困難なことでも取り組んでいけると信じて、患者さん一人一人に向き合い、思いに寄り添った看護を提供していきます。
2026年7月みんなのえがお


