看護師長が語る「向き合う力」と「支える流儀」
病院でも、診療所でも、地域の訪問の場でも患者さんやご家族にもっとも近いところで、日々悩み、寄り添い、決断を重ねているのが看護の現場です。この企画では、そんな看護の現場を支えるキーパーソン、「看護師長」たちにリレー形式で登場していただきます。それぞれの師長が大切にしている”まなざし”とは?
看護とどう向き合い、どんな想いで仲間を支え、医療に向き合っているのか。 トップバッターは、四日市地域いくわ診療所で看護の柱として活躍されている、葛巻知子看護師長です。その言葉のひとつひとつに、看護への誇りとぬくもりが詰まっています。
いくわ診療所 看護師長 葛巻 知子さん
「師長さん!」と言ってもらうたびに「この患者さんは私が師長さんと知ってくれていたのか」と思う。初代の師長さんは知らない人がいないほど有名な人だった。患者さんのことをしっかり考え動いていろんなものと戦える人だった。私は自分が師長になると決まった時、「がんばるぞ!」という決意より不安の方が強く前任者の師長さんのようには到底なれないと思っていた。
私らしく
悩み悩み働いているうちに私は私らしくやるしかないと半分あきらめたような感じになってきた。いつも思っていたのは「患者さんがきちんと聞きたいことが聞けて納得して帰れるように」ということ。表情がいつもと違うな、おかしいなと思うと近くに行って話をするように心がけた。患者さんも顔を合わせると「ちょっと太ったんじゃない?」とか失礼なことを平気で言ってくれる。何でも言いたいことを言えるような雰囲気づくりを心がけた成果がでているのだろう。
いろいろな視点
私は他の地域の診療所師長さんと話をすると本当にしっかりされていていつも感心する。事務長さんもしかり。私は今まで自分のできることは何でもしてきた。組合員さんからの班会の依頼、介護事業所の応援、平和の活動で広島や沖縄にも行かせてもらった。いろんな活動に参加できたことでいろんな世界が見えた。患者さんを守るには医療だけ、介護だけではいけないことも学ぶことができた。
説明と納得
入職当時、四日市医療生協の総代会に参加し、その後の職員会議で感想を求められたときに「わざわざなぜ日曜日にするのかと思いました」と発言したらすごく怒られたことを覚えている。そのあと「新入職員にもわかるように総代会のしくみについてきちんと説明してください」と要求し説明してもらえて自分の中で納得することができた。今となっては遠い昔の話だがなぜかすごく覚えている。それ以降は自分も誰にでも説明をしっかりしようと心がけている。
最後に「師長さんとして何をしてきたの?」と聞かれるとうまく答えられないがみんなで作ってきたこの診療所をしっかり守って次の世代の人につなげられるようにしてきた…と答えようと思う。いろんなことが変わっても大事なことは守っていく気持ちを忘れずに残された時間、しっかり仕事をしていこうと思う。
2025年9月号みんなのえがお

