Dr.コラム 夏の食中毒

Dr.コラム

夏の食中毒について
猛暑が続きますが、皆さん体調はいかがですか?夏は気温や湿度が高いため細菌が増殖しやすく、食中毒が多く発生しますので注意が必要です。加熱不足の肉・卵・生魚、傷んだ食品、汚染された水や調理器具などが原因で、カンピロバクター・サルモネラ・O-157などの細菌に感染することで発症します。

主な症状
腹痛・下痢・嘔吐・発熱です。感染してから数時間で症状が現れることもあれば、数日後に出ることもあります。通常は数日で自然に回復しますが、乳幼児や高齢者、持病がある方は重症化しやすく、脱水症や腎障害などを起こすこともあるため注意が必要です。

治療の基本
安静と水分補給です。下痢や嘔吐によって体から失われた水分と電解質を補うことが大切で、スポーツドリンクや経口補水液などが有効です。通常は抗生物質を使わずに治癒しますが、重症の場合は治療が必要です。自己判断で下痢止めを使うのは、却って症状を長引かせ悪化させる危険があるため、症状が重い場合は早めに受診しましょう。

予防策
食中毒を予防するには、「つけない」「増やさない」「やっつける」という3つの基本原則が大切です。「つけない」とは、手洗いや調理器具の衛生管理を徹底し食品に菌を付けないこと。「増やさない」は、冷蔵保存や早めの消費によって菌の繁殖を防ぐこと。「やっつける」とは、十分に加熱し菌を死滅させることです。持ち歩きのお弁当やバーベキューでも、保冷や保温の工夫を忘れずに行いましょう。

正しい知識と毎日の衛生管理で、夏の食中毒を防ぎ安心・安全な食生活を送りましょう。

2025年8月号いんぐ
いくわ診療所所長 医師 田中啓太