Dr.コラム 高齢者の排泄問題

トイレが近い?
年齢を重ねると「トイレが近い」「夜中に何度もトイレに起きる」「尿が漏れてしまう」「便秘になりやすい」など、排泄に関する悩みが増えてきます。こうした変化は、加齢に伴う身体機能の低下だけでなく、薬の影響、運動不足、水分摂取量の変化、病気など、さまざまな要因が関係しています。

尿失禁のこと
特に尿失禁は、高齢者にとって身近な問題です。尿を我慢できずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」や、咳やくしゃみ、立ち上がったときなどに漏れる「腹圧性尿失禁」など、原因によってタイプが異なります。また、足腰が弱くなったり、認知機能が低下したりすると、「尿意はあるけれどトイレまで間に合わない」といったことも起こります。

便秘もよくみられる問題です。食事量や水分量の減少、運動不足、腸の働きの低下などが原因となります。便秘を放置すると、食欲低下や腹痛につながるだけでなく、硬い便が直腸にたまってしまう「便塞栓」を起こすこともあります。

原因の特定
排泄の問題は、「年齢のせいだから仕方がない」とあきらめてしまいがちですが、原因を見つけて適切に対処することで改善できる場合があります。水分や食物繊維を適切にとる、できる範囲で体を動かす、トイレを我慢しすぎないなど、日頃の生活習慣も大切です。

排泄は健康状態を知る大切なサインでもあります。恥ずかしがらず早めに相談することが快適な生活につながります。最後にお知らせになりますが、10月17日(土)13時半より診療所2階にてこのテーマで講演会を開催する予定ですのでご興味のある方はぜひご参加ください。

2026年10月号機関紙いんぐ
みえ医療福祉生活協同組合 いくわ診療所
所長 田中啓太 先生